「流奈〜、携帯鳴ってるよ〜」

未央に言われ、携帯を取り出す。画面には『渚姉チャン』の文字。

『ハイ!もしもし〜?』


『…流奈!?…沙耶がねっ、事故に遭ったの…』


…え…?

楽しい空気が流れていた…一時が一瞬にして凍りつく…

『流奈…落ち着いて聞いてね…?…私はもう病院にいるんだけど、とりあえず命に別状はないから!…大丈夫…慌てないでいいから…!天明総合病院に来て!』

そう言って電話を切った。
私の変化を察してか、未央が声をかける。

「流…奈?どうしたの!?」

「うん…沙耶チャンが事故に…遭ったって…」

すると、慌てふためき騒ぎだす。

「えっ!!!?流奈のお姉ちゃんがっ!?」


「…うん」

私は…まだ何が起きたか状況を掴めずに茫然としていた。

「…じゃあ、行ってあげないとっ!!場所は?」

「…天明…の病院」

それを聞いて未央が時計を見る。

「…電車じゃ遅いから、ここからタクシーで行ったほうがいいよねっ!?」


「…うん」

「流奈、今手持ちないでしょっ!?貸してあげるから早くっ…!!」

「…うん…ありがと」


この時の記憶はあまりなく、未央がタクシーを呼んでくれ、背中を押されるように、車に乗り込んだ。