雨と電車とチョコレート



「……あの、ね。私も……。私も、染谷くんのことが好き」


なんだかいっぱいいっぱいで、泣きそうになりながらもなんとか言葉を紡ぐ。

すると、染谷くんは少し驚いたような顔をして。

だけどすぐに、安心したように笑ってくれた。



「……私ずっと、好きだったよ」

「まじで……。全然、気付かなかった」

「……染谷くん、鈍感だから」


染谷くんは私が持っていたコーヒーの缶を抜き、コトンと音を立ててデスクに置いた。


もう一度、私の手を握って、ふわりと笑った。


「……胡桃さん、なんか泣きそう」

「……そんなこと、ないよ」



少しずつ近づいていく距離に、ドキドキと胸が鳴る。


コツン、と額と額がぶつかって、なんだかとても幸せで。


堪え切れずに、涙がこぼれた。


「……やっぱり泣いてる」

「そんなこと、ないよ……」

「……胡桃さんってたまにバレバレの嘘吐くよね」


クスッと笑う彼の吐息が唇に触れて、思わずキュッと目をつぶった。