雨と電車とチョコレート


メール打って早く帰りたいから、と笑う。

……ううん。

笑えてたら、いい。




「……染谷くん?」


離して、の言葉をまるで聞こえないみたいに。


彼は、私の手に触れたまま。


……むしろ、握る力を強めて、俯いた。



「……東先輩がさ」

「……え?」


俯いたままの染谷くんの口からいきなり出てきた、同じ部署で染谷くんと仲のいい先輩の名前に、思わず首を傾げた。


「メールで、胡桃さんがやけに疲れた顔で出勤してきたから、絶対徹夜してチョコ作ってたんだよ、なんて送ってきたから」

「!?」


わ、私、そんなにバレバレに徹夜顔だったの……!?

ていうか、東先輩はどうしてそんなメールを、染谷くんに……っ!