雨と電車とチョコレート



これはなんていう偶然なんだろう。


まさか、会えるなんて。


告白するチャンスが、訪れるなんて。



「「あの」」



綺麗に、ハモった。



「……」



気まずそうにしている彼がなんだか可愛く見えて、私は思わず笑みがこぼれてしまった。



クス、と笑った私を、驚いたように見ている。



「……笑った顔、初めて見た」


「え?」



思わず、と言ったように呟かれた言葉に首を傾げる。



「あの。朝よく電車一緒になりますよね」



そう言ってきた彼に、私は頷いた。



「いつも、向かいに座ってる……」



私の言葉に、彼は「そうです」と笑った。




……本当に、カッコいいな。


近くで見ると、迫力満点。



思わず見惚れてしまった。