電車で7つ目の駅が、私の学校の最寄り駅。


途中で大きな駅を挟むから、そこを越えれば満員電車から解放される。





座席に腰をおろして文庫本を開く。



ふと顔をあげると、向かいの席に、いつもの彼が座っていた。



私より一つ前の駅で降りる、綺麗な容姿の男の子。



程良く着崩されたブレザーの制服は、偏差値の高い私立の男子校のもの。



彼は、人が少なくなったころにいつもこの車両に現れて、そしていつも私の向かいの席に座る。



私は電車の中では本を読むのが習慣になっているから、そのことに気付いたのは結構最近なんだけど、一度気付いてしまうと気になって仕方ない。