私たちはグラウンドのベンチに移動する
静かに続く沈黙
居心地は今は悪くない
寧ろ心地いい
見上げると綺麗な星空
「水姫」
「ん?」
誠暉は黒のスーツに
赤と紺のグラデーションネクタイ
普段は制服だからやはり違うのか
かっこよくて見とれてしまう
誠暉の手は私の手を優しく握り
瞳は私を見つめる
「ライブおつかれさま
水姫、ドレス似合ってる
凄く綺麗だ
あと、それ着けてくれたんだな」
誠暉が指差したのは
暁がつけたバラのヘアアクセサリーだった
「え?これ…誠暉からなの?」
「湯川から聞いてない?
伝えてって言ったのに…」
「暁は何も言ってなかった…
でも誠暉からだったなんて嬉しい…」
素直な気持ちだった


