カシャン‼

「すみませんっ」

声と共に鍵の落ちる音がした。


俺がメンドくさそーに振り向くとそこにはハデな女集団がいた。


落ちた鍵は一番先頭のヤツのものだろう。


みんな着崩した制服を着てて、よく見ると同じ学校だ。



なんだこいつら、すみませんとか言ったくせに全然拾おうとしない。
俺に拾えってことか?


俺は仕方なく落ちた鍵を拾って女集団の先頭にいたヤツに渡した。

その瞬間…




「キャーカッコいいー♡」
「賢くんイケメン~」
「超好みなんだけど〜♡♡」
「クールで最高♡♡」




はぁ?!超ウザい。こいつら拾ってやったのに礼の一つも言えないのかよ。
てかなんで俺の名前知ってんだよっ!





その時ちょうど電車が来た。


俺はいきなり自己紹介を始めた女集団を無視して電車に乗ろうとした。


だが女集団はぞろぞろとついて来る。


考え事をしていたのを邪魔された俺は一度振り返って女たちを睨んだ。


一瞬ビビったような顔をした女たちは
「まっまた学校でねっ」
と言ってそそくさと逃げていった。



やっと静かになった。