******* 「……ぁさ、……おかあさん!」 「あ……、おかえり二人とも。」 「お母さん具合悪そう…。ねえ、お父さん」 「確かにそうだな。大丈夫かー?」 「ん、ちょっと思い出に浸ってただけー。」 何それー、と娘のまだ幼い声が響いた。 今私は、旦那と二人の子供に囲まれてすごく幸せに暮らせている。 一人になると、たまに昔のことを思い出す。 もう二十何年前の話なのに。