鶺鴒の家族探し

次に目を覚ましたとき、俺は、柔らかい布に包まれていた。

体を起こし、周りを眺める。

近くにあの男がいた。
タオルを手にもって、椅子に腰掛け、目を閉じていた。

ここは男の部屋なのだと思う。

窓の外を見れば、まだ薄暗かった。
何時間たったのだろうか。1・2時か、1日、2日たっているかもしれない。

その間男は。
この疲れきった顔で寝ている男は。
そばにいてくれたのだ。

そっと。
触れば起きてしまうであろう男に。
そっと。
静かに触れて。

起こした。

少し怖かった。
逃げたかった。

でも起こした。

想いを、考えを。
伝えるために。