鶺鴒の家族探し


男に抱き締められる。

強く。強く。
そして優しく。

「大丈夫だ。怖くない。誰もお前を傷つけない」

耳元で聞こえる優しい男の声に
幼なじみが重なった。

「っぁ・・・・っぐ・・・ぅぐ・・・っ・・・」

男の腕のなかで泣いた。
たくさん。
翔にしてたのと同じように。

(この人は大丈夫。この人とは話せる)

自分自身に語りかける。

泣いて。泣いて。泣いて。
誓った。

(守られるだけじゃなくて、この人を守りたい)

男の温もりに安心した。
急に眠くなる。

力が抜けていくなか、必死に上を向いて微笑む。

「っ・・」

男が息を飲むのを感じながら、俺は。
夢のなかに。
幸せに。
安全な場所に。

堕ちた。