鶺鴒の家族探し

ほほを伝う暖かな滴。
こんなにも翔が大切だったなんて。
絶対に忘れない。

涙を脱ぐって誓う。

「幸せになって見せるよ」

「お前、なに一人で言ってんだ??」

いつのまにか近くにいた男。
腰には剣を挿していて、真っ白な髪と赤い目が目立つ。

怖い。
怪訝そうにこちらを見つめてくるこの男が。
前世の母や、今の妹や父と重なって。
怖い。
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いっ!!

ぬぐったばかりの涙がほほを伝う。
涙で歪んだ視界の向こうで、男が驚いている。

「大じょ・・・」
「っ!!!!!」

心配してくれた男の手を払う。
静まり始めていた魔力が溢れ始める。

「おい!!!!」

男の声が遠くに聞こえる。

泣いて。泣いて。
暴れた。

必死に必死に必死に暴れて。