鶺鴒の家族探し

少し暗く、見えない。
でも、

「来てくれたんだね。綺音」

あの優しい声が聞こえた。
自然と涙が
こぼれ始めた。

もう会えない
会ってはいけない
と、思っていた。

会いたい!
と、願っていた。

彼が

「翔っ!!!」

泣きながら
翔に駆け寄る。
涙で歪んで見えないけど。
翔はそこにいる。

翔が立ち上がって、待っていてくれるから。

伸ばしたてに温もりを感じた。
指を絡ませ、おでこを合わせる。

「翔、翔翔翔翔」
「何?綺音」