俺が目を覚ますと
木。木。木。
どこを見てもだ。

目を閉じ、自分の記憶を探る。
地球で死に、ここミスティアに生まれる。
5歳で父に牢に入れられた。
6歳で魔法の的にされた。
8歳で妹にすら殴られ、貶された。
10歳で執事たちに犯された。
13歳で母にすら見捨てられた。
15歳から食事を与えられなくなった。
17歳で・・・・捨てられた。

ああ。
生まれ変わってすら、俺は生きている意味がないのか・・・
何がいけないんだ??
俺はまたここで死ぬのか?
また復讐が出来ないのか?

そんなの

「嫌だっ!」

俺を包む暖かい風。
心地よい。

目を開けると風が吹き荒れていた。
俺を中止として。

あんなにも愚弄され続けていたのに。
魔力なしと。屑と。

「こんなにも、魔力があるじゃないか!」