たくさんの目に晒されて
すごく怖い。

でも、

「怖いけど、俺は約束したから。
ジル。
君の笑顔には何度も救われた。
君の笑顔のまえでは、素直に泣くことが出来たんだ。ありがとう。
最後まで一緒に。
アルト。
大好き!
アルトは俺と同じで、俺も本当の自分になれた。ありがとう。
最後まで一緒に。
二人とも大好き。愛してる。
この幸せが永久に続くことはないし、必ずこの世を去る。
だから伝えたかった。早めに。
本当にありがとう。
2番目だけど、心のそこから愛しているよ!」

それだけいって、マイクを返す。

「「綺音!」」
「二番目でもいい!俺らもお前を愛してる!」
「俺たちのまえに現れてくれて、生まれてきてくれてありがとう!」

それと同時に、ジルとアルトは叫び、壇上に上がってきた。
三人で抱き締める。
幸せに浸る。

その場にいた全員が、俺たちを祝ってくれた。
少しだけ人が、好きになった。

『いままですまなかった。お前の実力は確かだ。もう俺たちはお前を蔑まない』

俺は多くの人が認めてくれた。

そして、妹は一人になった。
孤独が張り付いた。

父に、母に、あの家に
汚名がついた。

俺は
この世に生まれて
生きていて
存在してよかったんだ。

と、思えた。