鶺鴒の家族探し

分かっているんだろう?

「俺と同じように
殴られ、
無視され、犯され、苦しみのなかでいきれば良い」

『合格。
異世界で生き返らせてあげる。
楽しんできてね?』

両腕を高く挙げ、自分の頭上で紙を破り捨てた。
すると近くで声がした。
声と同時に頭に流れ込んでくる映像。

男や女・・・俺のことをいじめてきた同級生たちに母の映像だった。
親友や同僚に、
殴られ、
無視され、
犯されていく映像。

愉快だった。
もっと見たいと思った。

そんななか、一人の男が俺の亡骸を抱えて、泣いてある映像があった。
俺の大切な、大切な

「翔・・・」

幼なじみ。
顔の至るところに傷があって痛々しい。
全部、俺がつけた傷跡だ。

子供のように泣き叫ぶ彼に、俺の瞳からも涙がこぼれる。

「幸せになれよ。翔・・・」

俺は意識を失った。