鶺鴒の家族探し

「授業終わるからちゃんと休め。隈できてんぞ？」

先生は優しく笑った。
俺の変化に気づいてくれた。
ルゥにあってから
ぐるぐる
ぐるぐる
廻っていた考え。

眠れずに泣いていた俺に。

「ジル。早くつれてけ」

ジルに命じる。
驚きながらも
ジルは俺の手を引いた。

「隠しててごめんなさい」

ジルにだけ聞こえる小さな声で。
俺は謝った。

「いいよ？気にしてない。アルトも呼んで、話そう？」
「うん！先生もありがと」
「っ・・・さっさと行けっ！」

先生に微笑むと、顔をそらされてしまったけれど。
心から嬉しかったんだ。

それから十分。
俺は久しぶりに家族をまえに座った。

「ごめんなさい」

俺は謝った。
何でかは自分でもわからない。
ただ、謝らないといけない気がしたから。

「謝らなくていいよ。でも、何で隠してたかは教えてくれるよな？」

アルトの言葉に頷いて

「ディスは知ってるけど・・・」

ルゥとあって知ったことをすべて話した。

「大会で優勝したら、皆に伝えたいことがある。それまではもう少し待ってて？」
「わかった。待つよ。楽しみにしてる」
「俺も試合にはあんまり手を出さないことにするよ。応援してる。ガンばれよ！」

二人は快くうなずいてくれた。

二人のために頑張る！

そう心に決めて、俺はいつもの生活に戻った。

その日からは少し、良く寝ることが出来た。