鶺鴒の家族探し

悲しい音は
しだいに
明るく楽しい音になる。

俺も
ディスも
引き込まれる。

ふとルゥを見ると
人が
動物が
天使が
悪魔が
神が
慈しむようになで
安心させるように微笑み
穢れから守るように
抱きついた。

でも、一瞬。
本当に一瞬目を閉じた間に
消えてしまった。

「じゃあな。幸せになれよ?」

そして歌がとまるとルゥも
消えた。

ディスを見ると
その瞳からは
雫が溢れ返っていた。

「寝る」
「うん・・・」

しばらくは帰ってこないだろう。

俺も帰ろう。
家族の元へ。

幸せが崩れる前に。
愛されるために。

俺はその場から
ピンクの液体が入った瓶を握り締めて
転移した。

森には
寂しく悲しい
鳥の声が響いた。