鶺鴒の家族探し

森のいたるところから、生き物たちが出てきた。
ルゥの背後にある大木も花を咲かせる。

「森が祝福している?」
「そ。かわいいよね。この子達」

俺の呟きに、ルゥが頷きながら動物たちをなでる。
草食動物も
肉食動物も
関係なかった。
ただただ
なでられ気持ちよさそうにしているだけだった。

「あ、綺音君にこれあげるよ」

ルゥが俺に何かを投げてきた。
瓶。
ピンクの液体の入った。

「それは俺が作った薬だ。真実を口にしちまう・・・な」

ルゥは1拍置くとまた話し始めた。

「で、自分の気持ちには素直になれ。
俺と違って人には寿命がある。いや、無くても思いを伝えたほうがいい。
死ぬことは無くても、消えてしまうことはある。
それも突然に。
その悲しみを取り払うことは誰にもできない。
が、命日までは忘れさせることはできる。
俺がそれを背負うことで。
喜びは俺の悲しみ。
悲しみよ、俺に集まれ。
今から奏でる音をたどって。
<神の歌声・第一章。喜びの歌>」

ルゥが言い終わると同時に
音が流れた。
歌声が。