授業が始まる。

文字が、文化が。
魔法が、魔法陣が。
ぐるぐる、ぐるぐる。
現れ
廻って
消える。

意識が、記憶が。
薄く薄く。
沈んでいく。

教師の、ジルの、妹の。
声が、言葉が、音が、

遠くなる。

ふわふわと。
漂うなかで、繰り返す。

何度も、何度も、何度も!!

生まれ死んで。
またうまれてしんで。
ウマレテシンデ。

なんの感情もなく
ただただ
眺めるだけり

そして生まれたとき。

「・・・と。綺音、ご飯だよ」

ジルが。
そっと。
腫れ物や、せとものに触れるように・・・
起こしてくれた。

顔をあげて
微笑む。
暖かい何かが頬を伝う。

苦しいからじゃない。
怖いからじゃない。

幸せだから。
生まれ変わって。
良かったって。

思えたから。