鶺鴒の家族探し

『魔力の封印はなし。
ジルと常にあること。
身分を隠さないこと』

俺だけにと区別に決められた。
アルトとジルが。
頑張って会得した。

俺だけの。
俺のための。

権利。

入学の時。
俺は長かった髪を切った。
ブレザーに腕を通した。

アルトがジルが。

赤くなった。

「かっこいい」
「キレイ」

二人に言われて。
俺も。
赤く染まった。

女に言われても。
男に言われても。
興味もなかった。
二人に言われると。

すごく嬉しい。
もっと言われたい。

嬉しくて。
嬉しくて。嬉しくて。嬉しくて。嬉しくて。嬉しくて。嬉しくて。嬉しくて。

俺は。
泣いてしまった。

優しい腕に抱かれて。

(翔。俺は幸せになれたよ)

そう感じた。

二人に対する。
恐怖が。
不安が。
いつのまにか。

消えていた。