鶺鴒の家族探し

俺が触れると、男はゆっくりと目を開けた。
男が俺を見つめる。

見つめられて固まってしまった。

恐怖でからだが動かない。

「ああ。起きたのか。少し待っていろ」

そんな俺に何かするわけでもなく。
男は俺を一人にした。

「一人に・・・一人にしないでくれっ!!」

思わず叫ぶ。
折角、新しい世界で出来た、大切な存在。
手放したくないから。

振り向く男は驚いていた。
でもすぐに、優しく笑った。

「わかった。だから泣くな」

悲しそうに笑った。

その言葉に急いで涙をぬぐう。
けど。
涙は溢れ続けた。

(翔にあったときと同じだ・・・)

必死に、必死に。
止めようとする。
それでも涙は次から次へと溢れてきて。