「ほんとめんどくせーから泣き止め」 「やっぱ、遥斗って釣れないね。普通イチコロなのに」 すぐに泣くのをやめ、オレンジジュースをひと口飲んだ。 ほらな、やっぱり嘘泣き。 男を騙すのも上手いし。 「あ!」 突然雛乃はデカイ声を出し、顔を近付けてきた。 幸い客は俺らしかいなかったから誰にも目撃されてないはず。 「…なんだよ」 「まつげ付いてたよ♪」 「あっそ」 コイツは何を企んでいるんだ…?