やったね!
これで僕は身体を守れたわけだ!

<よし、じゃあ代われ>
あ、裏リオ
…やだ

<…は?攻め側だぞ?>
僕だって、やってみたいじゃん。

<絶対無理だろ>
出来るもん!

<…絶対興奮するだろ?>
……うん、絶対しちゃうね。

<じゃあ代われ>
…分かった。


何事も経験なのに、と文句を言う間もなく僕は意識が飛んだ。




「じゃあ兄ちゃん。遠慮なく」
「待て待て!遠慮しろ!!…って違う!まだ終わってない!!」

確かに終わってないけど。
俺達の勝負は2/15の0時きっかりで終了、っていうルールもある。
0時までの数が最終的な数になるから、チョコを食べるのは明日ってことになる。

でももう、家の中だし、チョコ貰えないだろ?


俺が少し考えていると、兄ちゃんがいきなりキスしてきた。
兄ちゃんから。ちょっとちょっと、最近素直すぎじゃね?
そんな煽らないでもらいたいんだけど…

「!!?」

俺の中に甘ったるいのが入ってくる。
それに該当するものは、今ここではチョコしかないわけで。

「っはぁ…リオ、チョコ食った?」
「あぁ…」

唇を離して答えると、兄ちゃんがニヤリと笑った。
もしかして…


「今のはリオのチョコ。つまり今は同点中だ」

俺の中のチョコは、既に消えている。

…兄ちゃんのくせに。やってくれるじゃん。
こんの……


これで俺も兄ちゃんも12個
チョコを貰えないなら減らせばいい、か。
なるほど。兄ちゃんにしては考えたじゃん。

「よし、兄ちゃん。目瞑って」
「いやだ。どーせ仕返しだろ」
「そーだけど?」

確かに兄ちゃんの言うとおりだけども。

「身動き取れ無くしちゃえば、問題はないよな?」


兄ちゃんが呆気にとられてる間に、素早く自分のネクタイを兄ちゃんの手首に結ぶ。
我ながら超人的な速さだと思う。

「ちょ、リオ!?」
「仕返し」