なにやら、俺は、地雷を踏んでしまったようです。
適当に答えた返事のどこがいけなかったんだ。聞いてなかった俺が悪いのか。そりゃそうか。
とにかく、いきなり強烈なキスを仕掛けられた俺は、抵抗する力もなくそのまま流れ…
うん、キス止まりだけどな。
リオはそれだけして、もう一度俺の頭をなでると部屋を出て行った。
一体、なんだってんだよ。俺、一応病人だってのに。
酷い扱いじゃね?いや、可愛がられてんのか、これ。
あー、ダル。疲れた。折角睡眠で蓄えた体力が急速に無くなってった。もっかい寝よ。
翌日
「おはよー」
「あらレオ。もう熱はいいの?」
一日ぐっすり寝たら、昨日の熱が嘘のように無くなってた。やったぜ。
うん、と頷き朝食が用意されている机に座る。
あ、今日はウインナーか。いけるかな。うん、きっといける。
プツリとウインナーをフォークで刺して、口に運んで咀嚼。
うん、大丈夫。いつも通り。美味いです。
「お、おはよぉ」
「おはよーリオ…って。どーした」
リビングのドアを開けて入ってきたリオは、顔を上気させて荒い呼吸でようやくたどり着いた、と言った感じでリビングに座り込んだ。
「リオ?!どーしたのよ!」
「…か、身体が熱い……」
……これって、まさか、俺のが移ったんじゃね?
「あらあらどーしましょう。朝ごはん、食べれる?」
「無理。絶対無理だよ。特に加工肉、匂いがアウト」
俺と全く同じ症状…。やっぱ移ったんじゃん。
てことはあれか。昨日、リオが仕掛けてきたキスで風邪が移ったんじゃね?
リオ、てか裏リオ、自業自得じゃん。
「うぅーお兄ちゃん、ノートよろしく…」
「はいはい」
リオも、たまには休むべきだよな。
「今日はゆっくり寝とけよ」
「お兄ちゃぁああん…」
「だから今日はもう俺に近付くな」
あからさまに傷ついた表情をするリオを見て少し笑い、俺はリオの頭をちょっと撫でて
「いってきます」
と呟いた。
「…いってらっしゃい」
おしまい