BLOOD§INFECTION




「お前のこと、大嫌いだけど助けられた貸しがあるし。」

「あんた…。」


「楽(ガク)、天条 楽(テンジョウ ガク)だ。」



楽と名乗った彼は、背中にかけた長剣を抜き取る

そして

「よっと。」



その剣を、割った



「!!!???」


「何あほ面してんだよ、平気平気。」


どうやら本当に平気、らしい

その割った刃先の方には、よくみると持つところがある


「俺の剣は双剣だからな。」


楽はそう言うと、ゆっくりと腰を屈めて戦闘体制に入る

「とにかく、行けよ。」


「…わかった。」


その言葉に背中を押され、俺は左の前髪をかきあげて、岩型の吸血鬼の死角に狙いを定めて突っ込む

吸血鬼が腕を勢いよく振るうが、それをなんとか身体を捻って避け、突破


更に俺を追ってこようとする吸血鬼を、鋭い金属音が止めた


「お前の相手は俺だ、クソ吸血鬼。」