「あれ?
神ちゃんの気になる子って、ひーくんだったのかー。
久しぶりー、ひーくん。
お手合わせぶりかなー?」

「り…璃玖さん。」



なんで学園No.1ハンターがここに…

この人には以前、対人戦で捻りつぶされてからいい思い出がない

そんな俺の気まずい顔は無視してか、璃玖さんはジャラジャラとしたピエロのような服の装飾を揺らしながら近づいてくる

「えー、璃玖でいいよー。
むしろ、りーくんって呼んじゃう?
ふははっ。」


彼は、21歳という若さでNo.1になった歴代最年少のNo.1ハンター

その最強の称号に似合わず、相変わらずわけのわからない仮面を被って触覚のような黒髪のあほ毛をゆらゆらとさせながら笑っていた


「璃玖さんまで来たってことは、何か重大なことがあるってわけ?」


俺がそう尋ねると、彼はキョトンとした表情になる

「や、別に。
僕は神ちゃんがどんな子を誘うつもりなのか見に来ただけー。」


それだけでこんな大物がこの塔にくるなんて、璃玖さんはやはり不思議な人だ

「って、誘う?」



「うん、彼女がどうしてもって言うから。
ひーくん、今回の吸血鬼狩り、神ちゃんとパーティー組んでやってくれる?」


「………は?」