うちが驚いて震えていると、手袋に包まれた手が頭の上にのる

は…?


「でも、誰か助けないと、あんたが危なかったから。
プリンシパルといえど、女の子だし。」





「!!???」


な…なんやこいつ!!


真意で言っているようで、こいつの瞳には曇りがなく柔らかく細められていた


だから余計なんというか…


「顔、赤いけど大丈夫?
やっぱどっか怪我した?」

「!!!!!!」


あ…赤っ!????
うちは慌てて頬に手をやる

「べべべべつに大丈夫や!!」


うちはうろたえながら、再びこいつの顔を見遣る


変わらず、柔らかい視線を向ける彼の顔を思わずじっと見てしまう


なんやこいつ…、よく見たら顔がけっこう好み……………

「って何考えとるんやあああああああ…!!!!!!!!!!!」


「は、…え??」


うちはキッとこいつを見据える


「あんた、名前は?」


「え、比奈…。」

「比奈、何?」


「………………………千春。」


「そう、比奈千春。
助けられたのは今回だけや、次は絶対へませぇへんからな!!!」


「は…はぁ。」


「べっ…別にちょっとかっこよかったなんて思ってへんからな!!!!」


「はぁ…。」


うちはそういいのこすと、踵を返して自分の塔に帰っていった