the connected stories


「るせーよ」
と返す芦山心もノートをちゃんと書いていた。
とても不思議な気持ちになった。
でもワタシはそんな感情さえも、
頭の中で皺くちゃに丸めて捨てた。

そして今日も透明でいつも通りの日常が終わった。
教室で勉強をしながら
何故か頭の片隅から
「ごめんね」
が離れないことに気づいた。

あの、ごめんねの声...
そんなことを考えていたら
下校時刻を伝えるチャイムが鳴った。
ワタシは参考書やノートは鞄に無造作に入れて足早に学校を後にする。
早く電車に乗って地元に帰り、
ファミレスに行かなくてはならない。

また少し急な坂をかけ降りる。

そして駅につくと改札まで真っ直ぐなんの迷いもなく歩く。

でも、そこで勢いよく誰かにぶつかられた。
「痛...」
「ごめんっ」

ゴメン......?
今、謝られた?

ゆっくりと顔をあげると
膝を曲げそこに手を置き
心配そうに顔を覗きこんでくる
芦山心がいた。

芦山心はすっと手を出した。

「ごめんな、よそ見してて」
「...い、いえ、こちらこそ」

そして、何故か素直に
その手に掴まってしまった。
不思議だった。
ずっと誰かの体温に触れるなんてことしなかったから。
「ワタシのこと...見えるんですね。」
芦山心はすごくびっくりして不思議そうな顔になった。
「見えてる」

その言葉に胸を打たれた。
びっくりした。
ドキドキして、
ワタシは情報処理ができなくなって
その場を後にした。