愛 ~②巻~

私は机に突っ伏したまま窓の外を見る。

窓側の席は寒い。

冬なのに窓を開けているとは・・・。

でもその冷たい風が私の心を冷やしてくれる。


風が強く・・・強く・・・。

風が教室中に吹く。

「うわっ!」

宮先が声を上げる。


プリントの束がばらばらになる。

「宮先、何してんだよ!」

皆が笑う。

私はただ・・・ただ・・・窓の外を眺める。


私は目を瞑る。

冷たい風は私の体を温めることは無くて・・・。