‘俺らのこと忘れろ’
なんて酷いこといったんだよ。
「智也。
これで間違ってないよな」
俺は確認するように言う。
『これでいいんだよ。』
俺らヤバいな。
「まきってすごい我慢強いな。」
『あぁ。』
空翔の言うとおりだな。
「俺らって好きな女を
2人がかりでも守れないなんて激弱だ」
言えば言うだけ
後悔する。
『この教室誰もいないな。
空翔は後ろのドアの鍵しめて』
「おっけー」
智也の考えてることわかる。
『準備はいいか?』
消ゴムを握り締める
「あぁ」
早く消してしまおう。
全て消すのに
10分ほどかかった。
『まきちゃんはなんで消さなかったのかな?』
そうだよ。
まきちゃんは消さなかった理由があるのかな?
「それはまきにしか分かんないよな。」
まきは何を思って…
『空翔!!机のしたを見てみ』
「大量な消しカスだな。」
2人して笑う。
だけど
『まきちゃんの心はこんなちっちゃな
消しカスよりも小さくバラバラになってるよね…。』
俺らがまきちゃんを傷付けた。
「俺も今同じこと思ってた。」
俺らがまきを傷付けた。
『みんなまきちゃんを嫌ったふりしてるけど…。』