「まきちゃん。どったの?その目??」
不思議そうにのぞきこんでくる。
智也くんのせいだよ。
あんな怖い智也くん
初めてみたよ。
「恋愛ドラマ見てたら泣けちゃった。」
とっさに思い付いた
嘘でセーフっ。
「そうなの?俺も見たかったなー。」
あれ?
智也くん顔に傷が。
「智也くん顔どうしたの?」
智也くんがハッとした顔で
まきをみる。
「俺ドジだから顔にサッカーボールぶつけちゃった。」
軽く微笑む智也くん。
あのあと
殴り合いになったんだ。
まきのせいで。
「そっか。」
また涙が出てくるよ。
「もぉ寝る。」
今は1人になりたい。
「あのー。俺はどこで寝ればいいん?」
すっかり忘れてた。
「健太の部屋でよければ。」
健太は今日は友達の家だよね。
「どこにある?」
そりゃ知らないよね。
「向かい側」
まきの部屋の目の前にある。
「ありがとう。おやすみ。」
もしかしてまき冷たいかな?
電気をきって
ベットに入る。
やることないし。
智也くん寝たかな?
「あーっ。」
ちょっと声を出してみた。
―ドン
「えっ?」
何がおこったの?
「まきちゃんどったの?」
智也くんか。
びっくりしたよ…、
「え?こっちのセリフ…。」