「実はね。」
智也くんのお母さんの話をさえぎるように
「まきちゃん!散歩行こう。」
智也くん??
なんかいつもと
様子が違うよ??
まきはコクリとうなずいた。
『行ってきまーす♪』
『行ってらっしゃい♪』
家族じゃないけど家族みたいだ。


「実は。」
話を始めたのは智也くん。
「俺、またこの家に帰ってくるよ。」
「えっ?」
まきたちの目の前には
かつて智也くん家族が住んでた家。
残ってたんだー。
「だめかな…。」
だっだめじゃないよ!
「全然いいじゃん!!まきは智也くんに戻って来てほしい!!」
まきの素直な気持ち…。
届いたかな??
「よかった。」
智也くんの笑顔かわいいよ…。
ヤバい!
まきの心臓とまれーっ!
止まったら死んじゃうけど音でかいよー!!
バクバクバクバク
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。
「まきちゃん大丈夫?顔。赤い。」
顔!!
ヤバいよね…。
きっと。
「かわいいよ。」
え??
今なんて言いました?
かわいい…?
「帰ろうか??疲れたの?」
智也くんに心配かけちゃったよ…。
「うん…。」
しょうがない。
帰ろう。