「智也は?」
そういえばって感じで
いってる。
「悠人を探しにいってくれた…。」
語尾が小さくなる。
俺をかばってんのか?
「だからきたのか。
智也にも言わないとな。」
そういって
ふりかえり
俺の方にくる。
「ありがとう。」
なぜ?
俺は悪いことをしたのに。
「いや。あの」
俺が言葉に詰まっているとき。
「ありがとう。」
まきちゃんが悲しい笑顔で
微笑んだんだ。
俺はそのとき
かなり胸が締め付けられた。
俺は悪いことを…。
何もしらずに
最低なことをしたのに。
なぜそんなに
なぜ?
「これからもよろしく。」
悠人。
もう俺はあんなことしない。
ゴメンな。
また今日から
生まれ変わるよ。
悠人やまきちゃんのような
人になりたい。


悠人は微笑んで
空翔のもとへと
進んだ。
俺は。
俺は1番最低だった。
あの一言で
まきちゃんを苦しませた。