「まきちゃん!」
さおちゃんだ。
悠人がまきに手をふって
サッカーの練習へと向かった。
「1週間後にまたテストするから校舎周り30周と100mを10回だって。」
1週間後。
「そっか。」
そう言って
校舎周りを走り出した。
さおちゃんが話しかけてくるけど
全く頭に入らない。
「ねぇ、聞いてる??」
聞いてなかった。
どうしよう。
部活の時は部活に集中しよう。
「うん。」
適当に話す。
さおちゃんに悪いな。
今からちゃんと聞くよ。
「それでね、田中先輩は狙った男は必ず獲るらしいよ!!」

田中先輩

獲る

えー!!
「だめだめ!」
絶対にだめだよ。
そんなの。
「それから、言いにくいけど悠人は」
そこからは聞きたくなかった。
「知ってるよ。」
さおちゃんの話を遮った。
というか、なんで知ってんだろう?
「まきちゃんはどう思うの?」
どう思うって、
そりゃぁ。
悠人とずっと一緒にイタイよ。
「一緒がいい。」
まきはやっと
悠人を想うんだって
決めたばかりだもん。
「愛の絆はすごいねーっ!!
田中先輩には十分気を付けてね。」
そんなにヤバイんだ。
「うん。」
部活も終わり悠人と
いつものように帰った。