と、とりあえず、まずは理事長室いかないと…。
あいさつぐらいしないとね、これからお世話になるんだから。
実は、この学園の理事長はあたしの母方のおばさんの森ノ宮千鶴さんなの!
つまりあたしのお母さんの妹さん。
まあ、おばさんとは言えないほど、若いけど。
…で理事長室どこ?
地図も何もないから、全然わかんない。
でも、多分校舎内にあるから、そっち行けばいっか。
スーツケースをガラガラと引きながら校舎を目指す。
かなり遠いなぁ~。
つく前に疲れちゃいそう。
ん~それだけは勘弁。
「よいしょっ…と…。」
なんとか昇降口に着いたぁ~。
ま、まあ、まだ先は長いからひと安心するのには早いけど。
――――――その時。
「特別生が来たぞ~!」
「…え?」
一人の男子生徒が叫ぶと、森ノ宮学園の制服を着た生徒たちが、昇降口を駆けていった。
速いなぁ~みんな…。
なんだかみんな慌ててたけど、なんかいけないことでもあるのかな?
ま、あたしには関係ないけど。
そう思った時、急に視界がまわりはじめた。

