あたしの心臓は今サイコーにドキドキしてる。
車の窓からたくさんの桜が見えてお花見してる気分。
その木々の間から見えるのが、あたしが今日から通うことになった、名門「森ノ宮学園」。
全寮制の高校で、生徒の中には社長令嬢や次期社長を担う人もいるとか…。
しかもこの学校、附属の幼稚園からあるの!
あ、自己紹介遅れました!
あたしは風間結衣。今日から森ノ宮の生徒です♪
もともとお父さんの転勤が多くて、その度に引っ越してたあたしは、友達があまりいなかったの。
それを心配したお母さんが、彼女の母校であるこの学園を勧めてくれて、見事合格。
今はその森ノ宮に車で送ってもらってるの。車にはあたしの他にお父さん、お母さん、弟の友也、妹の茉莉が乗ってます。
お父さんとお母さんは二人とも35歳、恥ずかしいくらいラブラブなの。
友也は明日から六年生、茉莉は一年生になるんだ。
車が校門の目の前で止まった。
は~キンチョ~!!
「はい、荷物。」
お父さんが後ろのトランクからスーツケースを下ろしながら言った。
「ありがと。」
お母さんが窓を開けてこう言った。
「結衣、一人で大丈夫?」
「大丈夫だよ~。あたしもう高校生だよ?」
「そう。じゃあ行ってらっしゃい!!」
「うん!!」