ギィ…と 古びた扉を開けて

私たち3人は中へと入った。思った通り

中は薄暗く、まだ日が差し込んでいるからマシというような

カンジだ。一言でいうと…不気味。

「わあ~真っ暗。やっぱ、中も古いねえ。」

姫香は呑気に言っているけれど…

もちろん。私にそんな余裕はなかった。

「帰ろうよ~…中、見れたでしょ?」

私…正直泣きそうです…。

「ん~もうちょっとだけだから!お願い…」

そんなウルッとした目で見られると…

横で信哉も、「姫香を泣かすな」というように見ている。

なんで姫香ばっか…つまんない


「じゃ、あとちょっと…」

「ホントに…?ごめん!ありがと!真子ちゃん^^」

くるくる変わる姫香の表情が、昔お母さんと見た

サーカスのピエロのお面みたいで面白かった。

「百面相」っていって、1回転する間に、

もう、お面が変わってた。

そうこう思い出してると…

「あ。キレーな鏡だー!」

姫香が指をぴっと差した方向に、壁掛けの

キレーな細工が施された鏡…。

もとは綺麗な金だったのだろうけど、ところどころ

黒ずんでいた。

「でもきたねえな~」

と、信哉が言う。

「でも、拭けばキレイと思うなあ」

姫香も負けじと言う。持って帰るつもり?

「姫香~持って帰っちゃダメだよ?このお家のものだし…」

姫香はすこし考えて


「うーん…そだね。」

と、名残惜しそうに鏡から身を引いた

「行こうぜ、先。」

「「うん」」

3人でまた歩き出す。

でも、私の頭ではある計画が立ててあった。

鏡なんて興味はない

そのそばにあったガラスの破片

これで…。