私たちは、姫香がいってたおうちへ探検に行った。

「はやくっ!こっちの原っぱぬけたらすぐだよー!」

離れたとこで姫香が叫ぶ。

「…姫香…は…はやいよー」

私も疲れてしまった。

「…真子…大丈夫…?」

信哉が心配そうに私に声をかけてくれた。

うれしいなぁ…。

「うんっ!大丈夫^^」

ホントに元気でてくる!

「そっか。ならいいや。」

そっけなく行ってしまう信哉。

ちょっと…さみしい…。

「ここだよ。」

姫香においついた。

そして見上げると…。

「わ…」

いかにもおばけとか、アニメで見た怪物が

でてきそうなさびれたお城のようなおうち。

ツタがあちこち伸びきっていて。

日もあまり当たらない。正直怖いなぁ…。

「ほんとに…入るの?姫香ぁ…。」

そこし泣きそうな声で私は言う。

「うん。だってお宝とかありそう!」

姫香。こーきしんだけはおうせい…って。

担任のセンセーもいってたなー。

意味よくわかんないけど、こういう時に使うんだって。

おかーさんに教えてもらったなぁ。

「じゃ、はやくはいろーぜー」

信哉も敷地に足を踏み入れた。

私も…

そのとき

「ギャー。ギャー。」

「っ…ひぃッ!?」

なぁんだ…

枯れた木の上にカラスが一羽いただけだった。

「おどかさないでよ!」

カラスに向かって言ってみた。

そして、私も洋館へと走る。

後ろの方でカラスが一声

「カァー」と鳴いた。

まるで何かのはじまりを 知らせるような。