数分後、気絶をした演技をしている私の耳に

大勢の足音と、

「なんだ？！」という男性教員の声と

「うわ…」という一般生徒の声がした。

おそらく、姫香の死体を見たのだろう。

思わず笑みがこぼれそうになり、必死に表情を保ち

高ぶる感情を押し殺した。

そしてその中に…。

「姫…香？」…信哉。

私の愛しい人の嘆きの声。

愛する人の無残な姿を目にした絶望の声色。

私にそれは向けられていない。

「何でだよ…くそぉぉぉぉっ！！」

信哉がバンッとロッカーを叩き付けた音がした。

ああ。悲しんでいるの？

大丈夫だよ。あなたを悲しませるヤツはもう死んだよ。

私が慰めてあげる。一生。私だけが。

もう二度と　　離して　あげないから



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真子。信哉。姫香。小学校3年生…

「ねーねー。2人とも知ってる？？」

姫香は楽しそうに問いかけた。

「なになに？？」

真子も興味津々に詰め寄る。

「どーせまたくだらねーコトだろー？？」

信哉は、特に興味がなさそうだった。

姫香がその言葉にぷぅーっと頬を膨らませる。

「くだらなくないよ！探検できそうなおうちを見つけたの！」

姫香は、後半得意げに話した。

「なにそれー！おもしろそう！」

真子も目を輝かせる。

「へぇー…」

信哉は少し興味を持ったようだ。

「だから、学校おわったら、カバン置いてからいってみようよー」

姫香の言葉に、2人ともうなずく。


このことが憎しみを呼ぶ。

無邪気な3人の

絶望の未来の序章…。