大声で叫んだ私の言葉に彼の足は一瞬ピタリと止まって。 このタイミングを逃さないように、私はさらに言葉を続ける。 「あなたがいいの! あの歌とか…!?」 他の人ではダメな理由を口にした途端、勢いよく振り向いた彼。瞳が、鋭く光った。 「なんのことだ」 低く低く、怒りが込もったような声。 「あの歌、あなたが…櫻井くんが、歌ってるんでしょう…?」 私の言葉は、彼の怒りに気圧されて、情けないくらいに震えていた。 .