弁当のふたを開けた瞬間、あたしは中身を見て驚いた。



何コレ…!



弁当の中身がぐちゃぐちゃになっていた。



あ、さっき男子に押し倒された時にぐちゃぐちゃになっちゃったんだ…



どうしよう…今日は昼ごはん抜きか…



購買も閉まってるし…運が悪いなぁ…



あたしは弁当をしまった。



「あれ?弁当食べないの?」



「え?ああ、朝ごはん食べ過ぎてお腹減ってないからさ…w」



優君はあたしの嘘を見事に見破ったかのように言った。



「嘘つけ。ちょっと貸せ」



優君は無理矢理弁当箱を取り上げて中身を見た。



「何だよコレ…誰にやられた!」



「多分さっきの男子に押し倒された時に…」



「あいつ余計なことしやがって…まあいい。これ食え」



「でもこれは…」



「葵に頼まれたんだよ。雅ちゃんの世話頼むって」