「着いたぞー」
葵君は足を止めた。
あたしは息を弾ませながら顔を上げた。
そこには街の風景が見えた。
うわ綺麗…頂上から見る風景ってこんなに綺麗だったんだ。
夜だったらもっと綺麗だろうなぁ…
「俺嫌なことがあったらここにくるんだ。ここに来ると癒されるんだよな俺」
あまりの綺麗な風景にあたしは見とれていた。
「おい雅聞いてんのか!」
あたしはあわてて我に返った。
「あ…ごめん何?」
「真面目な話だけどごめんないろいろ巻き込んで。女一人守れないんじゃ彼氏失格だよな俺。
俺良くしっかりしてるって言われるけど俺ヘタレなんだな…」
「そんなことないよ!葵君はあたしを守ってくれたじゃん!男嫌いだったあたしを変えてくれたのは
葵君だよ?あたし葵君が好きだよ。やっぱりあたし葵君じゃないとやだ!」

