not ANGEL but BENUS

もがいて振り回していた腕の肘が顔に当たったのか、僕を組伏せていたヤツがウッと一瞬怯んだ。




その一瞬を逃さない。

思い切りのけ反る様にして、後ろに頭突きをかます。

ヘルメットが固い。鈍痛が響く。



だが、関係ない。おかしい位に身体をねじ曲げ、首をねじ曲げる。

首を抑えていたヤツの顔が目の前にあった。


ぞくり。
ぞくり。ぞくり。
ぞくり。ぞくり。ぞくり。
ぞくり。と。


吐きそうな程に強い興奮が、僕を煮えたぎらせていた。


熱い。身体の中が熱い。


そして。

思わず。考えず。ただ単に。感じて。埋もれて。溺れて。


そいつの顔を、殴り付けた。



良い音がした。

肉と強化プラスチックがぶつかる音じゃなくて…



肉が強化プラスチックと、肉を粉砕する音が。

・・・・
ぐきゃりってな、感じで。