not ANGEL but BENUS

走る。走る。走る。走る。走って走って走って走って――――


なぜか頬を涙が濡らした。

走る。

流流流に集中する奴らのほんの些細な隙間を、

ボクは駆け抜けた。

気付いた何人かが慌ててボクを囲もうとする。ボクは身体を低くしてなんとかくぐり抜ける。

逃げて、避けて。惑って。走って。



――――――首を掴まれた。


ぞわりとした次の瞬間には地面に叩き付けられた。

同時に頭を殴られる。

鈍い痛みが頭を揺らし、口に血の味が広がる。



でも決してそれはなぜだろう、不快ではなかった。

むしろ快感。心に血を垂らす…



「あ゛あ゛あ゛ああああああぁぁぁ―――――――!!」








闘争心。