not ANGEL but BENUS

ドン!!という重苦しい音が腹に響く。

散弾だったらしい。狙って撃った割には、盾の至るところに火花が散った。

でもボクにはそんなことを悠長に見る余裕はなかった。バレルを引き、空薬莢を吐き出す。


しかしそこでボクは気付いた。恐る恐る、バレルをもう一度引いた。





弾が………無い。



なんて不運!?最初の一発が最後の一発だったのだ。


「流流流―――!?」



ショットガンを放り投げ、ボクは叫んだ。声が届いたかはわからない。
でも確かに、流流流は笑った。


振り向いて、流流流は笑った。

何も心配するなと言わんばかりの、その優越感に浸る表情。こんな状況でも笑顔を出せる流流流。

なあ…流流流?


お前って、何?