not ANGEL but BENUS

そして構えた。逆手にナイフを持ち、スプリンターの如く、膝をついた。

「私は……生き残るの」


念じるように、言葉を噛み締めるように、呟く流流流。その雰囲気は、獰猛に流流流だけでなく、ボクをも巻き込んで気を猛らせる毒だった。


ぞわりぞわりと鳥肌が立つ。


その時の流流流は、ひたすら、格好良かった。

「行くね……日陰」



「あ、ああ………」


圧倒されつつあった。コイツ、何なのだろう?まるでハイエナだ。今下手に触れたら喰われそうだ。


フー…フゥー…フゥーという呼吸音。


荒い息。怖い息。獣の息。獰猛な、命の息。






フゥ――――――――――――
フゥ――――――――――――
フゥ――――――――――……






……………止まった