not ANGEL but BENUS

ここを、生き残る。結構無謀ではあるが、不可能ではないはずだ。ボクが生き残る確率……それは流流流にかかっている。


コイツがどう考え、どう行動するか。場合によっては、生き残るのは流流流だけ。ボクだけの可能性もある。


「なあ流流流、やらないのか?オレはやるぞ。生き残って……勝って……やる」


「勝つって……何に?」


「このクソ下らない人生ゲームに。勝つしか…なくね?」


流流流は下を向き、涙をふき、何かを考えていた。必死に涙をこらえて、考えていた。

そしてボクに呟いた。

「…約束、守ってね。日陰」


「……約束?」


なんだ、それ?初対面で約束?ありなのか?

しかし流流流は、もう既に血で滑るナイフを持っていた。

ヒュッという音空を裂く。流流流が血振りをした音だった。血が地面に散る。まるで玄人の仕草に、ボクは少々違和感を感じたが、構うものか。