頭が痛い。いつもの・・・だけど少し違う。
「っ・・・」
脳内をあの夢がよぎっていく。
「おい。どうした?」
「だ、大丈夫だからっ・・・。よくなるの。大丈夫っ・・・・。」
「どう見ても、大丈夫じゃねぇだろ。」
俊哉があたしの肩を抱く。
その力強さに、その手の温かさに、体の力が抜けた。
・・・ダメだ。
「本当に大丈夫だから。」
俊哉がそばにいると、どうしても頼ってしまう。
甘えてしまう。
それじゃダメなんだよ。
強くならないといけない。
一人でも生きていけるように、強くならないと・・・。
肩に触れた俊哉の温かい手を解こうとした。
「カズ。」
でも俊哉は力強くて、その手が解けない。
「カズ。」
もう一度、あたしの名前を呼ぶ。
「・・・ん?」

