「アルバム?」


「うん。これ、多分家のアルバム。へぇ・・・こんな所にあったんだ。」


「見るのはやめておけよ。」


声を1オクターブほど低くして、俊哉があたしを睨みつける。


「何で?」


「こんなに埃まみれってことは、大切にされてなかったってことだろ。そんなもん見る価値ねぇだろ。」


・・・正論だけど、侮辱されてるような・・・。


「それでもいいの。だって、よくよく考えてみれば、アルバムなんてしばらく見てないんだよね。久しぶりに開いてみるのもいいじゃん。」


「・・・勝手にすれば。」


よっしゃ!!俊哉に勝った!!


じゃあ遠慮なく、とアルバムを開く。


一番前のページには・・・写真は貼っていなかった。


次のページも、その次のページも、その次も、次も、次も。


「なーんだ。何もない。」


「だから言っただろ。バーカ。」


ため息混じりに、あたしの頭をコツンと叩いた。


でも一応、と最後のページまでめくっていく。


最後のページをめくったとき、思わず声が出た。


「「あっ。」」


それは俊哉と同時だった。