「・・・そんなの知らねぇ。」


「嘘!!言った。あたしはこの耳で聞いたの!」


「知らねぇよ。寝言だろ。夢でも見てたんだよ。」


俊哉はわざとらしい微笑みを見せて、コーヒーを口に含んだ。


嘘だ。何を隠してるの?


「・・・違うでしょ。知らないはずない。だってその後に言ったんだよ?“ごめん。でも忘れてない。”って。」


「知らねぇって言ってるだろ。しつこいぞ、カズ。」


「それに!!・・・俊哉、泣いてたよ・・・?」


俊哉の目線は外にある。あたしと目を合わせてくれない。


何で言ってくれないの・・・?